新幹線 福岡のこんな進化
河原に巨大で平らな岩があり、これが天葬台で、その上で天葬が行われるという。
その場所はトチュウカンと呼ばれる。
人が亡くなると家のなかに3日間安置し、数人のラマ僧が不眠で祈り続ける。
4日目の早朝、トムデンと呼ばれる遺体処理係の男が4人やって来て、天葬台へ運ぶ。
太陽が昇り始めた頃、天葬台の端で4人の僧が香をたいて、白い煙が勢いよく上がると祈り始める。
太鼓と、少女の大腿骨で作るといわれる人骨笛と、鐘の音が「トントン」「プープー」「チンチン」とリズミカルに響き、お経の声がいっそう高く響く。
白い服を着て、白い帽子をかぶった4人のトムデンが、岩に上がってナタで遺体の解体を始めた。
骨はハンマーで砕いて肉にまぜる。
その頃4人の僧は岩から降り、香をたく塔屋へ移動した。
岩の横にいた遺族たちも、ラマ僧に従って白い塔屋に行き香をたく。
解体が終わると、男たちが裏山の稜線に向かって「テイワー、テイワー、テイワー」と大声で叫んだ。
同時に遺体を包んでいた着衣に火をつけると、呼び声と煙を合図に、1羽、2羽と、次々とハゲワシが舞い降りてきて、地上をピョン、ピョンはねるようにして天葬台に近づき、やがて岩の上に登って食べ始めた。
30羽くらいはいるだろう。
遺体は消え、ハゲワシたちは天高く舞い上がっていった。
それから遺族が天葬台の上に登り、経文を唱えて祈る。
天葬台に残されたのは、岩を赤黒く染めた血の跡とハンマーだけだった。
チベット人は天葬を外国人に見られたり、写真を撮られるのを極度に嫌う。
私は十数メートル離れた岩かげから見ることを許されたが、約束通り写真は撮らなかった。
しかし、その後見物客が増え、写真を撮って、なかには雑誌に発表する者もいるので、いまでは警官の監視小屋ができ、厳しく撮影を取り締まっているとか。
この葬儀を最初に知った外国人が鳥葬と呼んだが、本場チベットでは鳥葬という言葉は禁句で、天葬と呼ぶことを知った。
鳥によって五体も魂も天に運ばれ、天に還ると信じているから、烏は天に還るための単なる手段にすぎないのだ。
このように考えると、天葬を残酷だとか野蛮だと思うのは、単なる偏見にすぎず、これは文化の違いにほかならない。
チベットの葬式には5種類がある。
前述した通り、D・Rに限られる塔葬、火葬、天葬(鳥葬)、土葬、水葬の5つだ。
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